「足底腱膜炎の原因」
足の裏には、頑丈な繊維状の膜が広がっており、これが足底腱膜です。足底腱膜は走る、止まる、歩くなどの動作に影響を与えます。ふくらはぎの筋肉が収縮すると、アキレス腱が引き上げられます。この引き上げる力は、それぞれの足底筋膜に伝わり、足を踏み返すことを可能にします。しかし、ふくらはぎの筋肉やアキレス腱の柔軟性が低下すると、足底筋膜に大きな負担がかかります。この負担が長期間続くと足底腱膜が損傷し、足底腱膜炎になります。
足底腱膜炎は特にスポーツ選手など、運動を頻繁に行う人に多く見られます。また、加齢によって足底腱膜の線維が弱まるため、高齢者にも頻繁に見られます。最近では、激しい運動をしなくても足底腱膜炎になるケースが増えています。
「足底腱膜炎になりやすい人」
スポーツ選手など、強い衝撃を足に繰り返し与える人に多く見られ、サッカーや陸上競技などでよく見られます。足裏に毎日適切なケアを行い、筋肉や腱が硬くならないようにすることが重要です。
- 加齢や疲労の蓄積
激しいスポーツをしない人でも足底腱膜炎になります。疲労や加齢によっても足底腱膜が硬化し、足底腱膜炎になります。
現代人はあまり運動をしないため、足のアーチが支える力が弱くなった人が増えています。また、靴の進化なども原因の一つと考えられています。足は全身の体重を支える部分なので、太った人にも多く見られます。
- 痛みのチェック
・椅子に座った状態で片脚を膝の上に乗せ、足の親指を反らせてください。その際に痛みが出る場合は、足底腱膜炎の疑いがあります。
・足の裏のかかとの前方の部分を指で押した時に痛みが出る場合は、足底腱膜炎の疑いがあります。
2.ふくらぎの硬さやアキレス腱のチェック
・両足を平行に床につけて身体全体をゆっくり伸ばした時にバランスが崩れる場合は、足底腱膜炎の可能性があります。
3.高齢者のかかとの痛みは足底腱膜炎以外に骨粗鬆症の可能性もあります
足底腱膜炎は、急に歩き出すと痛む、朝起きて初めて歩き出した時に激しく痛むなどの特徴があります。ところが、高齢者などは骨粗しょう症などによってすでに踵部の骨が骨折して痛む場合があります。無理をせず、X線やMRIなどの検査で確認することをお勧めします。
「足底腱膜炎になったら」
- 保存療法
まずは足を休ませて、足底筋膜の疲れを取ることが重要です。親指やかかとに強い痛みを感じる場合は、筋肉が断裂している可能性があるため、整形外科で診断することをお勧めします。日常では、できるだけスニーカーのようなクッション性の高い靴を履くようにして、足に負担をかけないようにしてください。
2.温熱療法
入浴時には、適温で足裏をよく温め、ゆっくりとマッサージしたり揉んだりして、筋肉をほぐしてください。痛みが出る場合は、整形外科で診断することをお勧めします。筋肉が断裂している可能性があります。冷やすと一時的に痛みが軽減することもありますが、足底腱膜炎は筋肉や腱が硬化しているため、逆効果となることがあります。
3.外科的療法
・注射
ステロイド系の薬を患部に注射します。ただし、注射は対処療法であり、一時的に痛みがなくなりますが、元に戻ることがあります。
・手術
足底腱膜の一部を手術によって削除します。高齢者の場合は、体への負担が大きいため、慎重に相談の上、決断してください。